残業代請求には時効がありますのでご注意ください

残業をしていた場合には、会社に対して残業代が請求できます。

もっとも、残業代は、本来支払われるべき給料日から２年で時効となります。

そして、残業代の時効の消滅を防ぐためには、「催告」が必要となります。

それでは、残業代請求の時効について詳細に説明します。

残業代の時効の規定

労働基準法１１５条には、「賃金の請求権は二年間、行わない場合においては、時効によって消滅する」と規定されており、残業代を含めた賃金の請求権は、支払われるべき給料日から２年で時効消滅するとされています。

例えば、５年前から会社に勤務しており、その５年の間ずっと残業をしている場合でも、残業代は、過去２年分しか請求できないこととなり、現在も毎月消滅し続けているということになります。

時効の中断

上記のとおり、残業代請求については、２年で時効により消滅してしまいますが、「催告」（内容証明郵便による裁判外での請求）をしておけば、時効を中断させることができます。

そして、６か月以内に「裁判上の請求」をすれば、「催告」の時点から残業代請求をすることができます。

したがって、時効による消滅を止めるために、まずは「催告」をしておき、６か月間で、会社と交渉し、交渉で支払ってもらえない場合には、「裁判上の請求」（裁判、労働審判）をするとよいでしょう。

時効の期限の延長

２０２０年４月に民法改正に伴い、労働基準法も改正されることとなり、残業代請求権の消滅時効は、３年となりました。

ここで注意したいのは、３年の時効期間が適用されるのは、２０２０年４月１日以降に発生する残業代請求権です。

すなわち、２０２０円４月１日「以前」に発生した残業代請求権は、２年の時効期間が適用され、２０２０年４月１日「以降」に発生した残業代請求権は、３年の時効期間が適用されるのです。

ですので、最低でも２０２２年４月１日を経過しない限りは、２年以上前に発生した残業代については、時効により消滅していくということになります。

残業代請求でご依頼いただいた場合の実際の事例

労働審判により残業代を獲得した事例

ご相談者様は、神戸市内の会社に８年間勤務し、日頃から残業をさせられていましたが、転職を機に勤務していた会社に対して残業代請求をしたいということで、アトム神戸法律事務所にご依頼いただきました。

ご依頼後は、まずは、時効を中断すべく、弁護士から、会社に対して、内容証明郵便により、残業代を請求しました。

その後、会社と交渉を続けましたが、まとまらず、内容証明郵便を送ってから５か月後、裁判上の請求の一つである労働審判の申し立てをしました。

その結果、労働審判の中で会社が残業代を支払うことに納得し、ご相談者様は、過去２年分の残業代を獲得することができました。

ご依頼いただいた場合の弁護士費用

残業代を請求する場合、アトム神戸法律事務所では、選択する手続きにより、弁護士費用が変わり、以下のようになります。

もっとも、弁護士費用が急には準備できないという場合には、いずれの手続きにおいても分割払いが可能ですので、お気軽にご相談ください。

会社との示談交渉

着手金

２２万円（税込）

報酬金

得られた利益の１１％（税込）

労働審判手続

着手金

４４万円（税込）
※ 交渉から継続の場合、差額の２２万円（税込）

報酬金

得られた利益の２２％（税込）

訴訟手続

着手金

６６万円（税込）
※ 交渉から継続の場合、差額の４４万円（税込）
※ 労働審判から継続の場合、差額の２２万円（税込）

報酬金

得られた利益の３３％（税込）

残業代請求についてよくある質問